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基礎看護学は初学者にとって看護学の導入とるなる基盤領域です。健康・不健康を問わず、さまざまな状況下にある対象の理解と援助をおこないます。そのためには、看護の基礎的知識、技術、態度とともに、看護の行為者となる自分自身が、観る、聴く、話すに加え、心を動かしながら、自分の持てる力を使い人々の生きる力を支えていくことが必要です。さらに、看護の概念である人間、環境、健康、看護について深く学ぶことも重要です。これらによって、看護独自の役割を踏まえた理論的根拠に基づく看護の基盤を培っていきます。
1年生の後期に学ぶ授業です。1年次の前期において「看護学概論」「基礎看護技術演習Ⅰ」「基礎看護学実習Ⅰ」で学んだ知識をもとに、フィジカルアセスメントの基本技術を学んでいきます。最新の高度実践シミュレーターを用いて聴診などの技術を学ぶ演習やVR(Virtual Reality)空間内での事例を用いたシミュレーション演習などを通して、看護の基本となる技術を学習します。
在宅・公衆衛生看護学領域は、地域で疾病や障害を持ちながら生活を送る人々とその家族を対象とした在宅看護学と、地域で生活する全ての人々、そして人々の生活の場である地域(=コミュニティ)を対象とした公衆衛生看護学の2つから成り立っています。地域で生活する人々の多様なニーズを社会情勢と関連づけて捉え、個人・家族、集団、地域の健康課題と強みを見出し、QOLの向上を目指した看護活動を探究します。
地域診断は保健師活動の基盤となる活動で、最近では看護活動の中でも注目を浴びています。3年次前期に学ぶこの授業では、地域(=コミュニティ)を看護の対象として認識し、地域で生活する人々の健康と生活のニーズを多社会条件と関連させて角的にアセスメントするための理論を学びます。そして、地域の情報収集・アセスメントから健康課題を導く具体的方法について演習を通して学びます。
成人看護学は、働いて生活を営むなど社会的役割をもった基本的に自律・自立している青年期から老年期への移行期までの方を対象とします。急性状態にある人とその家族の特徴を理解し状態に合わせた回復・適応への援助や家族ケアを学びます。また、慢性疾患をもつ人の身体的・心理的・社会的特徴を理解し、対象者が病気とともに、その人らしく生活を営むための援助を学びます。
「成人看護学概論」「成人看護援助論Ⅰ、Ⅱ」で学習した成人看護援助に必要な看護技術や看護援助過程について実践的に学習します。成人看護学実習の事前学習として手術からの回復期の看護を含む周手術期の看護援助技術の習得、および慢性疾患をもつ対象者に対するセルフマネジメントにつながる健康支援について、科学的根拠を確認しながら実践的に学びます。
老年看護学は、高齢者が人生の最終段階における課題に対応し、自律的な生活を送れるような看護を学びます。講義では、高齢者理解を深め、加齢による機能変化と生活への影響を知り、高齢者の健康生活を支える看護を学びます。演習や実習では、高齢者の生活機能を中心に、「疾患」や「加齢変化」だけでなく、高齢者がこれまで歩んできた生活史を踏まえた看護援助を考え実践し、学びを深めます。
4年次の選択科目です。認知症は身近な病気になってきましたが、ひとことで“認知症”と言っても、様々な種類があり、ケア方法も異なります。本科目は、3年次までに学習したことに加えて、認知症ケアをより探求できる授業です。VR(Virtual Reality)を用いて認知症をもつ人の当事者体験や、家族介護者の方に来学いただいてお話を伺ったりします。また、地域に暮らす認知症の人の支援について、フィールドワークを取り入れ、認知症ケアの実際を学びます。
小児看護学は、子どもとその家族を対象としていますが、現在ではお腹の中の赤ちゃんから、キャリーオバーして青年期に至るまで、対象の幅が広がっています。4年間で、子どもの成長発達や日常生活を理解し、急性期・慢性期・終末期などの病時期別の看護、子どもの関わり方や小児特有の看護技術などを学びます。実習では、看護師の指導を受けながら実践力を身につけていきます。
3年生前期の授業です。2年次の「小児看護学概論」「小児看護援助論Ⅰ」で学んだ知識をもとに、小グループの演習形式で実践的に学ぶ授業です。子どもの安全・安楽を保証しながら、子どもの成長・発達に応じた具体的な看護技術を学習します。事例を通して、子どもの発達段階や健康状態、家族の状況にも応じた看護についてグループディスカッションを行い、学習します。
母性看護学は、母性の健康の保持増進を目的として、女性に備わっている次世代を産み育てるリプロダクションに焦点を当てます。女性や母親、その子どもや家族を対象とする看護学です。主に、マタニティサイクルにある女性とその家族が対象となりますが、女性の一生を中心としたライフサイクル全般にも関わります。
この授業は、3年生前期に履修する演習形式の授業です。授業目標は2つあり、一つは母性看護実践の基礎となる看護過程展開の習得です。事例の情報収集からアセスメントして看護診断と看護計画を立案します。2つめは臨地実習で求められるケア技術の習得です。2年生後期には「母性看護援助論Ⅰ」の授業で、妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期の看護を学びます。母性看護は母子の相互的理解がとても重要です。母性看護学援助論Ⅱでは、援助論Ⅰで得た知識を、妊婦・産褥・新生児の各モデル人形を用いて演習することで、体験による理解へと深めていきます。
精神看護学は、赤ちゃんから高齢者まですべての人が対象となります。こころの仕組みやストレスの対処などメンタルヘルスについて学習するとともに、精神に障がいがある人の回復を支援する看護について学びます。一人ひとりの思いや希望を尊重することを大切に、看護者のかかわりを治療に活かす方法について、学内の講義や演習、さらに臨地での実習を通して学んでいきます。
3年生の前期に学ぶ授業です。2年次の「精神看護学概論」「精神看護援助論Ⅰ」で学んだ知識をもとに、精神に健康問題を持つ人とその家族についての事例を通して、入院から社会生活までの看護を演習形式で学習します。VR(Virtual Reality)を用いた体験や援助場面を設定したシミュレーション演習などを通して、精神症状をもつ人に対しての具体的な看護援助方法を実践的に学習します。
地震、水害などの自然現象や大規模事故などの災害において、看護の知識や技術を用いて、災害が及ぼす生命や健康生活への被害を最小限に抑えるための看護活動を学びます。災害看護には災害発生時の急性期だけでなく、災害前の備えから災害発生後の復興時期まで、それぞれの時期に合わせた多くの役割があります。自然災害の多い我が国で災害看護を学ぶことは、とても重要なことです。
2年次で学んだ災害看護論を基盤にし、実際に県内外で発生した地震・雪害・台風・豪雨・原子力災害について振り返り、看護職および地域住民の視点から災害種別毎の被害想定や防災・減災対策を考える授業です。過去の災害の経験と教訓を共有し、災害対応における被災者の生命と健康の維持のために必要な知識や応急処置について、演習やグループワークを通じて実践的に学びます。
画像提供:東北地方整備局震災伝承館